こんにちは。岐阜市琴塚のリサイクルショップ、ヒライヤのヒライサトシです。
私たちリサイクル業を生業とする者にとって
「修理」というのは、とても大事な作業です。
壊れて使えない物などを、蘇らせてまた使えるようにする作業になりますので、
廃棄物(ゴミ)だったモノを、商品へと蘇らせる瞬間であったりして、
「修理」というのは、リサイクル業にとって確かな「生産活動」といえるんです。
ヒライヤは「修理」に重きを置き、商品を大事にしています。
「修理」という作業はとても大切で、さらに、とても奥深いモノになります。
奥深いという表現を敢えてさせて頂いたのには理由があります。
一言に「修理」と言いましても、
タイトルにもありますが、僕らには「修理」をしたくてもできない時があるんです。
「修理」には、経済合理性上の限界があるんです。
そこには、ビジネスと私的感情が複雑に絡み合う、やんごとなき事情があるんです。
本日は、そんな僕らヒライヤの、ヒライヤゆえのジレンマを1つ
あえて「修理」という観点から、お話させて頂きます。
まず、皆様に私が今からお話させて頂きますのは、「いわゆる綺麗事」ではありません。
私たちヒライヤの気持ち(マインド)は、決して簡単で短期的(楽して儲ける)ではない事をご理解頂きたい。
これは切望です。
敢えて現実の実際問題や事実をさらけ出し、「僕らにできる事の限界」を敢えてお伝えいたします。
大前提ですが、そこには「人一倍ヒライヤには大切にしてる想いがある事」を分かってもらうため。
そのためです。
いかに僕らがリサイクル業を簡単に考えていないかを、僕なりに噛み砕いてみます。
(この話は、リサイクル業界にはモノを大切に扱う信念の無い、
短期的なお店があまりに多いという事実にモノを申しています。ナメんなよって話です。笑)
ヒライヤの企業理念としても、これらはフワッと表現していますが、
「モノを大切に。思い出も、思い入れも、次の方に繋ぐ事。」
ヒライヤはこういった理念でやってきている会社です。
いきなり結論から入りますが、
ヒライヤは、
いわゆる「商売的に合わないモノ」を修理する事はできません。
いわゆる「商売的に合わないモノ」を買取る事もできません。
なんでもかんでも買取できるかというと、そうではありません。
もう少し噛み砕いて、よく店頭で起きる実例を用いて説明させて下さい。
例えば、「正常で1万円で売れるギターが、壊れている状態で持ち込まれた」とします。
お客様には感謝です。有難い。最高に嬉しい瞬間です。
ですが実情、このギターを、お金を出して買取るのは正直めちゃくちゃ難しいんです、。
いわゆる金勘定のリアルをご説明いたします。イメージしてみて下さい。
・これを修理するのに、かかるパーツ代¥2000(これは安い方です)
修理、その他メンテナンスにかかる時間が1時間だとします。
・人件費はどこの会社さんも大体1時間¥3000位です。(人件費¥3000)
それを販売する際、ネット上で商品ページを作成する時間。売れた後の出荷作業なども。
・どう少なく見積もっても、さらに30分の人件費はかかりますね。(人件費1500円)
☆この3つの経費、最低ラインで算出しても、必要経費が合計6500円かかる計算になります。
つまりこのギターを例え¥0で引き取ったとしても、
手間をかけて直すことによって、原価が¥6500のギターが完成するという事になります。
¥10000で売るギターの原価が¥6500、。
つまり65%で仕入れている事と同じ話ですね。
世の中の、新品を扱う業種(リサイクル業ではない)の大体の仕入れ額は40~60%。
(例外は70、80ありますが大体がそんなものです)
つまり先ほどのお話の「65%仕入れ」というのは、
新品を扱う業種だとしてもかなり厳しい仕入れだという事がご理解頂けると思います。
では、わざわざ手間をかけて65%仕入れの中古のギターを仕入れるのか。
中古だから壊れるリスクも新品に比べると非常に高いんです。
(中古は販売に対してもある程度の保険が必要なんです。)
つまり、手間をかけないとしても新品と同じ掛け率で中古を仕入れてはいけないんです。
つまり、この実例のお話の仕入れが、かなり商売的に厳しいお話だと、なんとなく分かって頂けるかと思います。
ただ、僕らの気持ちは、金勘定ほど簡単じゃないんです、。
せっかくお客様が持ってきてくれたギター、。生き返らせるのは、僕らの使命な感じがします。
でも、金勘定が合わないんです。やる訳にいかないんです、。
ヒライヤは趣味ではなく、僕らの人生を賭けたビジネスです。
特にココで大きいのは、振り返ってみると、この「人件費のかかり方」ですね、。
この「人件費のかかり方」を直感的にイメージするのはとても難しいんです。
人件費というのは、えげつないタイム感、スピード感でかかってくるんです。
僕らヒライヤのスタッフでも、この商品に対する人件費、必要経費の計算はかなり難しいんですよね。
「直して売れたのは感情的には気持ちが良いけど、よく考えてみると、結局全然利益なかったじゃん!」
なんてことになりかねません、。(実際こういったことは少なくないんです、。)
さらにさっきのお話の、中古で1万円で売れるギターというのは、大体が新品で3万円以上していたギターです。
つまりこのギターは激安初心者モデルではなく、当時はちょっと良いギターの部類なんですよね。
お客様が当時買われた時に、少し思い入れがありそうなレベルなんです。
それだからこそ、お客様も売りに来てくれてるはずなんです、。
それなのに、僕らには買取れない事もあるんですよね、。
話を整理しますね。
つまりお客様が、買った時は3万以上するからこそ捨てるにはもったいないから、
せっかくヒライヤに持ってきてくれた元々は割と良いギターでも、
状態によっては、0円で仕入れさせて頂いたとしても、修理して直すことが不可能になる。
つまり買取額をつけるのがかなり困難であるんです。
ここにプロの買取屋として、悔しさと葛藤が生まれるのが想像頂けますか?
お客様はこの結果にきっとガッカリされるでしょう、。
これが僕らのやれる事の限界になります。
僕らは時にお客様をガッカリさせてしまうんです。
この悔しさを分かって頂けると、本当に本当に嬉しいです、。
せっかく持ってきて頂いたお客様のお気持ちに応えれなかった悔しさです。
商売というのは金銭的に限界があるんです。気持ちでは何ともなりません。
これは紛れもない事実です。
ギターだけの話ではなく、ウチに入ってくるモノには毎回この金銭的な判断(天秤の様なもの)をかけていく事になります。
このジレンマに出くわし、お客様をガッカリさせてしまい、
お客様が帰られた後に、僕らはいつも同じ気持ちを引きずります。凹みます。
いわゆる「商売的に合わないモノ」を修理する事はできません。
いわゆる「商売的に合わないモノ」を買取る事もできません。
この本質をイメージ頂けたかと思います。
そしてヒライヤが出したこのジレンマに対抗する結論を最後にお話しさせて頂きますね。
ヒライヤがヒライヤであるために、企業理念「できるだけモノを大切にし、気持ちを繋いでいくこと。」
それを達成するために、僕らが死ぬ思いでやっていること。
この悔しさと、このジレンマを唯一解決する方法です。
それは、
「他店よりも高くモノを売る技術を持つ事」です。
これしか打開策ありません。これしかモノを大切にする方法はありません。
誤解しないでください。闇雲に高い値段をつけるという意味では御座いません。
ヒライヤの商品には、特別に価値が付くほどの信頼と技術力で、商品を売るんです。
同じ商品が、他の店では1万円なのに、
「ヒライヤの売る商品(ヒライヤブランド)」だからこそ、1万3000円でも買って頂ける信頼を構築する事。
その理由は、以前から何度もブログでもお話しております、
「お客様の安心できる返品、返金、保証、制度を作る事」も1つ。
「メンテナンス、仕上げなどしっかり行う事」も1つ。
「圧倒的な知識量で仕入れの目利きを磨く事」も1つです。
「愛想の良い接客」もそうだと思います。
取引、コミュニケーション、接客、説明、修理、販売
すべての工程を高い次元でサービスする事。
その努力全てで、少しだけ販売価格を上げさせて頂く事に創業時から取り組み続け、
やっと最近結果が出来てきています。
いわゆるリサイクル業に、この一種の革命を起こすつもりでやってきました。
これがヒライヤの本質なんです。
最後に。
できるだけ多くを工夫して、できるだけモノを殺さない。
それは、簡単には達成できないですが、僕らの切望です。
できる限りの事は致しますので、
それがあなたにとって大切なモノであればあるほど、
できましたら是非、ヒライヤにお売り頂ければと願っております。
僕らには限界がありますが、できる限り企業努力をし、モノを大切にしています。
そのすべては、お客様への買取額に反映できていると自負しております。
ヒライヤをよろしくお願いいたします。
ヒライヤの作業風景の写真を貼り付けます。
飛騨産業のオークのソファー。高級品です。無垢の木材をバラシて、熱とスチームで蒸らし洗浄した後、オイルで磨き上げています。2時間ほどの作業工程です。
音の出ないギター直してます。古いギターの調整は、いつも2時間ぐらいはかかるかな。先ほどの話から計算すると、販売で2万円以下のギターは合わないんです、。
おもちゃ、フィギュア、プラモデルなど構造が細かくて繊細なモノです。繊細な丁寧な掃除が必要です。
同時に細かい所に破損がないか、劣化がないかをしっかり調べます。時間がかかります。
業務用厨房機器は、バラせるものはバラシ、できるだけ細部や奥までの洗浄。厨房機器は油汚れが、えぐいんです。
パッキン、ベルトなどの消耗品の交換を行い、中古でもできるだけ新品の品質に近づけます。
魂込めて、作業してます。
最後まで読んで頂き有難う御座います。
ヒライヤは土日祝関係なく、店頭、電話受付を年中無休で受け付けております。
岐阜のリサイクル・買取り専門「ヒライヤ」では
お客様が大切にしていたものを高価買取りさせていただいています!
出張買取り、メール・ライン査定、電話査定なども行っていますのでご相談下さい!
この記事を書いた人

- リサイクルショップヒライヤの代表平井です。
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